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あなたが好きな詩(ポエム)を一つ教えてください。
谷川俊太郎『手紙』より
時
あなたは二匹の
うずくまる猫を憶えていて
私はすり減った石の
階段を憶えているもう決して戻ってこないという
その事でその日は永遠へ近づき
それが私たちを傷つける
夢よりももっととらえ難い一日その日と同じように今日
雲が動き陽がかげる
どんなに愛しても
足りなかった
だいぶ昔のこと。この詩が好きだとある男性に言ったら、「猫が出てくるから?」と言われた。
よほどこの詩とわたしの関連性が見いだせなかったようである。
確かに猫が出てくるところもいいんですがね。
記憶ということの残酷さ。過ぎていくことのもどかしさ。
一瞬をきりとることのできない歯がゆさ。何をどうしても足りなくて。
きっと伝わらない。完璧には(わたしがこの詩をすきな意味さえも)。
忘れてしまう方が、なんぼかましかもしれず。